一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

加藤 優和  (信大付属松本中学2年・松本市)

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「『平和』を聞いて返ってきた言葉」
 国立航空宇宙博物館別館を訪ねた。そこには広島に原爆を落とした爆撃機「エノラ・ゲイ」など、戦争に使われた飛行機がたくさん展示されていた。そこで「平和とは何なのか」「平和という言葉から何を思い浮かべるのか、私はアメリカで取材した。
 ペンシルベニア州在住のマックスさんは「今、世界では争いが多く起こっている。世界平和とは何なのか不安」と話した。同時に「最近のアメリカは自己本位になってしまっているが、アメリカは平和のためのリーダーとなるべき」と語ってくれた。
 家族連れでリンカーン記念堂に来ていた10代の女性は「戦ったり、暴力的になったりするのではなく、自由であることが大事」と語ってくれた。
 「最近の幸せ」について語ってくれる人もいた。40代の男性は「昨日、ゴスペルの教会に行ったこと」。国連で聞いたスペイン出身の20代女性は「家族と一緒に旅行できていること」と、にこやかに笑顔で話してくれた。
 世界の多くの国々は現在、国のため、国民のため、政治を行っている。しかし、対立や紛争がある地域もあるので、取材のように、不安を抱く人もいる。しかし、私たちはまた、ちょっとしたことにも幸せを感じ、生き甲斐にすることができる。一瞬の幸せを何度も何度も積み重ねられること。たくさんの人にそれが広がるようにできたら、世界の平和につながっていくのではないかと感じた。


「差別や偏見に向き合う」
 私たちは人種差別問題をどう捉えればいいのだろうか。実際にあったことや差別への考え方を米国で取材した。
 日系3世で全米日系市民協会幹部のジョン・トベさん(56)は「米国は移民の国なのに、先に来た人が新しく来た人を差別することがある」と語った。米国では第2次世界大戦中、日系人が強制収容され、仕事、財産も失った。「アジアからの移民はまだ歴史が浅く、政治力も弱かったから」と一つの見方を教えてくれた。そして「人種や姿形の違いで仕打ちをすることは間違っている」と言った。
 現在も人種差別がないとは言えない。米国歴史博物館でインターンをしている白人の男性は「50年前より状況は良い」とした上で、「経済的な格差はある。白人警察官の黒人射殺などの事件もある」と説明してくれた。
 「差別を改善するには、相手に興味を持ち理解しようとする対話が必要」。トベさんの言葉だ。理解し合おうと一歩を踏み出す勇気が大切なのだ。私たちは、日常の差別や偏見も、自分のこととして向き合うことから始めたい。 

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